唾液のさまざまな役割

daekinoyakuwari01.jpg唾液は、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる大唾液腺と、お口の中の粘膜のあちこちに分布している小唾液腺から、1日1.0〜1.5リットル分泌されます。舌の裏側の舌小帯と呼ばれる筋の付け根にある2つの小さな突起は、顎下腺と舌下腺につながっています。梅干しやレモンなど、酸っぱいものを思い浮かべたりすると、この突起に開いている穴から唾液が流れ出てきます。



唾液にはさまざまな役割があります。


【消化作用】
唾液中の消化酵素であるアミラーゼは、デンプンを分解して食物の消化を促進し、体内に吸収しやすくしてくれます。よく噛んで唾液を出さないと、消化が進まず、胃に負担がかかることにもなります。

【粘膜保護作用】
唾液にはムチンというネバネバしたタンパク質が含まれています。ビスケットやフランスパンのようなものと口の粘膜が接触しても傷がつかないように、口の粘膜をコーティングしています。

【食塊形成作用】daekinoyakuwari02.jpg
唾液の粘り気であるムチンが正常に働くと、食べ物がまとまりやすく、気管の方に流れずに食道の入口に入り、嚥下がスムーズになります。唾液のムチンは、食塊形成、摂食、嚥下に重要な働きをしていて、少なくなると誤嚥の原因にもなります。


【潤滑作用】

咀嚼や発音などで口や顎を動かすときは、唾液自体が潤滑油のような働きをします。

 

【抗菌・自浄作用】
唾液中のラクトペルオキシダーゼやラクトフェリンと呼ばれる抗菌物質は、お口の中の細菌を取り除きます。唾液の量が減少すると、お口の中を自然に洗い流す自浄作用が低下するので、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。特に、睡眠中には唾液の分泌量が減少し、唾液による抗菌作用や自浄作用が低下します。お口の中が汚れていると細菌が繁殖して、虫歯や歯周病が進行し、起床時には口臭が強くなります。

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【中和作用】
食物、主に糖や炭水化物を摂取すると、お口の中の細菌はこれらを代謝して酸を生産し、この酸が歯のエナメル賃を溶かして虫歯が発生します。唾液には、飲食後に酸性になったお口の中を中性に戻そうとする作用があります。これを唾液の緩衝能と言いますが、唾液の緩衡能が低下すると、食後酸性に傾いたお口の中がいつまでも元の中性の状態に戻らないため、虫歯になる危険性が高くなります。

 

【修復作用】
唾液によりお口の中が中和され正常な状態に戻れば、歯の溶けるのは止まり、さらに唾液中のCaイオンやリン酸イオンが働いて再石灰化と呼ばれる歯の修復が始まります。また、唾液には傷を治す上皮成長因子(EGF)や脳神経の老化を防止する神経成長因子(NGF)などが含まれています。唾液が少なくなると、口の傷が治りにくくなり、神経の回復が遅くなることにもつながります。

 

高齢になると唾液腺が萎縮し唾液の分泌量が減少します。よく噛み、よく唾液をだして、お口の中を健康に保つように心がけましょう。